CENより1本線路よりの道沿いにある韓国食堂「オバルタン」。店頭の韓国語、日本語、英語表記の画像入りメニューが目を引きます。昨年末にオープンしたばかりですが、純粋な韓国食堂の美味しさを求めて各地から在日韓国人サラリーマンが足繁く通う人気店のようです。
店長のチョ・ヘ・ヨンさんに人気の秘密を伺ったところ、フレンドリーな雰囲気の中、韓国から取り寄せた貴重な食材と自家製の野菜漬けなどいわゆる“おふくろの味”をいただけるからだそう。お肉を美味しくいただくためには野菜とのバランスが重要なので、自家製のキムチなどに手間を惜しんではいません。
チョさんに特にお勧めのお料理を選んでいただきました。
豚を蒸したポッサムと“命のナムル”という意味を持つミョンイナムルが添えられた「ミョンイナムルポッサム」。
鬱陵島(ウルンド)で秋から冬にかけて農作物がとれなくなる季節に命をつなぐために食べられていたので、ミョンイナムルとよばれているそうです。韓国から取り寄せていて日本で言う行者ニンニクのような葉物です。
蒸したてのポッサムに青唐辛子などをのせ辛味噌をつけてミョンイナムルで包んでいただきます。お茶の葉のような味わいのミョンイナムルが豚バラの脂の甘みを引き立たせ、サッパリしながらも後をひきます。ニラ、ニンニク、青唐辛子と薬味を選んで「味変」すれば、ひとりでも一皿を完食できそうな美味しさです。豚肉に含まれるビタミンB1とミョンイナムルのアリシンがあわさり、夏バテ予防にもなりそうな一品です。
A4クラスの和牛のタン、ザブトン、上カルビ、中落カルビの「和牛盛り合わせ」。
韓国でもUSビーフの骨付きカルビや和牛は人気だそうです。下味はシンプルに韓国流の塩、胡椒とお肉の甘みを引き出すニンニクのみ。タレに漬け込まずにお肉本来の味わいを引き出す下準備です。
手が空いている時は、「美味しく召し上がっていただきたいから」」とチョさんがお肉を焼くこともあるそうです。サシがのっている和牛を焦がさずにジューシーに焼き上げる手際は見事です。
ここで、サービスで出される自家製白キムチと野菜漬けが大活躍。酸味と旨みが凝縮し辛味のない白キムチをお肉に巻いて野菜漬けと共にいただくと、サシと酸味が調和してより甘味を感じます。サンチュなど生の葉物もあいますが、漬け込むというひと手間がかかった野菜類と合わせるとそれぞれの旨みが渾然一体となり美味しさが倍増します。さすが、発酵野菜を上手に取り入れてきた韓国料理の知恵ですね。
そしてシメは酸味と辛味のバランスが絶妙なキムチ素麺。今の季節、なんと7割近くのお客さんが注文する人気メニューだそうです。滋味深い牛骨のスープの中にはスープを凍らした氷が入って、味を薄めずに冷たさが増しています。冷麺ではなくスルスルとしたのどごしの素麺がとてもいただきやすいです。韓国海苔の芳ばしさと塩気がよいアクセント。焼肉で熱くなった身体をほどよくクールダウンしつつ活力を与えてくれるような絶品のシメでした。
東京に居ながらにして韓国の食シーンを満喫できるお店です。
オバルタン
住所: 東京都新宿区百人町1-5-6 102
電話: 03-6302-1618
営業時間:17:30~29:00 年中無休
URL: https://www.hotpepper.jp/strJ001118938/
この記事を書いた人
草間由紀
食、美容、インテリアの外資ブランドを経て独立。
ライフスタイル系ブランドのブランディング&PR会社「Fabcomm ファビュコム」代表。ブログ 、インスタグラム、フェイスブックでは、都会型ライフスタイル、食べ歩きに関する情報を更新している。